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すぐに私もコンビニを出て、彼の背中を眺めて歩く。身長のある彼が心なしか小さく見えるのは、体調を崩しているせいだろうか。
「高丘さん!」
「なに?」
「昨日、起こして帰したらよかったですね。風邪ひかずに済んだかもしれない」
「あー、気にしないでいいっすよ。自業自得だもん。それに起こされて強制帰宅させられるなら、凛子さんのベッドに入りたかったし」
「……」
断片的に昨夜の出来事を思い出して、頬が熱くなってくる。
「そんな顔しないでよ、凛子さんにはそういうことしないから。治ったらまた鍋しようね」
ポストに寄る私を横目に、彼は先にエレベーターに乗って頭から消えていった。
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