rule 2

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 話しかけて断ろうとする私の気配に気付くことなく、彼は部屋に入ってしまった。  慌てて煙草を灰皿に入れて、部屋を突っ切り玄関へ向かう。施錠したドアを開けて、ミュールを履きながら歩き、隣室のインターホンを押した。  ――と、同時に開いたドア。彼の手にはスーパーの白いビニールがある。  「びっくりしたー!凛子さん、どうしたの?」  「あ、いえ、その……」  言うことは1つ。約束はしていないと伝えるだけ。  でも、あれから間が空いてしまったせいで、言いにくさを感じる。  それに、特に予定がないと言ってしまっているから、なぜなのかと言われたら、聞いてしまった話を理由にするしか浮かばない。  「ちょうどよかった。まだ持っていくのあるから、これ先に運ばせて?」  押し切られ、促されるまま部屋に戻ると、彼は玄関にビニールを置いて出て行った。
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