rule 3

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 「離してください」  「なんで?いいじゃん、この方が仲良しっぽくて」  「手を繋いで仲良しそうに見られるのは、学生時代だけです」  「じゃあ、今はどうなの?」  「それは、その……」  いい大人が、こんな時間に手を繋いでいたら、誰がどう見ても恋人同士だと思うだろう。百歩譲って仲のいい兄弟とか、見る側の妄想によってはセフレ止まりじゃないだろうか。結局、どれもが私の望むものではない。  「つき合ってるって思われたって良くない?」  「良くないです」  「凛子さんの彼氏、今日来るの?」  「来ませんけど」  そんな人はしばらく来る予定がない。いない存在の予定なんてあるわけがないのだから。  「俺も、今日は誰も呼んでない」  聞いてもいないのに、彼は自分の予定を告げてきた。  もっと抵抗すれば解けるほどの力で繋いでくる彼の手から、なぜか私は逃げようと思わなかった。  離してほしいなんて言っているのは、口先だけだ。
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