rule 5

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 数年前、股上の浅いデニムを履いた女性がたくさん街角にいて、平気でギリギリのラインまで見せていたのを思い出す。私はそういう格好をしたいと思わず、同じデニムを履いても見えないようにしていたけれど……高丘さんは平気なのだろうか。スウェットとはいえ、隠そうとしないあたり、やはり彼は無防備だ。  特別親しくもなかった頃に、部屋で鍋をして眠ってしまったり、話し声が漏れ聞こえてきたり……知らず知らずのうちに彼のことを知ってしまうのだ。  「あの、高丘さん。つかぬ事を伺いますが」  「え、なに?」  「そこまで浅くスウェットを履いているのに……その何ていうか……下着が見えないのってなぜなのでしょう」  瓶に入ったジントニックを飲んでいた彼も、さすがにこれにはむせてしまったようで、苦しそうに咳き込んでいる。  「ご、ごめんなさい!ただ、なんとなく気になっただけで」  「やっぱり凛子さんってヘンタイ?」  「は?」  「俺の下着を見たいってこと?」  「そういうことじゃなくて!」  慌てて訂正するも、こんなことを聞いた自分が忌々しい。
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