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日曜の朝は、とても平和に訪れた。愛名ちゃんとハシゴせず、山下さんと帰ってきていて良かった。
『愛名ちゃん、昨日はありがとう。飲み過ぎて二日酔いしてない?今日はゆっくりしてね』
とはいえ、山下さんの情報を集めてくれたことに感謝し、気遣いメールを送っておいた。
快晴の冬空はとても澄んでいる。明日から12月で仕事が多忙を極めるだろうから、今日はとことんのんびり過ごそう。
ブランチを作っていたら、ダイニングテーブルで携帯が鳴った。
「もしもし、凛子?いま話せる?」
「うん、いいけど」
掛けてきたのは、姉の琴子(ことこ)だった。結婚して街中のタワーマンションに住む彼女は、時折連絡をくれる。子供のいない生活で、独身の頃とそう変わらずに自由だと言っていたけど、本当は望んでいるのを知っている。なかなか待望の初孫ができなくて、妹の私に結婚を急かすのは両親だけだ。
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