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「りーんこ」
「あれっ?公美(くみ)」
仕事を終えて、駅ナカのカフェで本を読んでいたら、大学時代の友人と偶然会った。
「1人?それとも彼氏待ち?」
「1人よ。仕事終わって真っ直ぐ帰る気分じゃなかっただけ」
間違ってはいないが、この時間に帰宅したら高丘さんと遭遇しそうだと思って、時間を潰しているだけだ。
「公美は?」
「私は彼氏待ち」
「彼氏と別れたって言ってなかった?」
「別れた後、すぐに会社の後輩に告白されたの」
「へぇー、後輩ってことは年下?」
「うん。下って言っても27だから、そんなに大きな差でもないけど」
3歳差は大したことがないとしても、20代と30代の差は大きいはずだ。
でも、公美はそんなことを気にしていない様子で、とても輝いて見える。恋の力なのか年下の影響なのかは分からないけれど、羨ましいと思ったのは事実だ。
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