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公美が言っていた『年下男子の可愛さ』は嫌いではないけど、計算がチラつくのは高丘さんだからなのだろうか。
「まぁ、いいや。玄関開けといて」
「えっ?!」
1分も経たないうちに本当にインターホンが鳴って、洗濯物が入ったバスケットを置いて戻った。
鍋をした時や銭湯に付き合わされた記憶が蘇り、応答に躊躇する。だけど、そんな私を見透かすように再度鳴らされた音に急かされ、渋々玄関を開けた。
「お邪魔しまーす」
「ちょっと待って!どうして私の部屋に来るの」
「それなら、俺のところに来る?」
「嫌よ」
「じゃあ、凛子さんの部屋しかないでしょ」
すっかり慣れた様子で私を置いて上がり込んだ彼は、当たり前のようにソファーに座った。
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