rule 10

4/30
124人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
 公美が言っていた『年下男子の可愛さ』は嫌いではないけど、計算がチラつくのは高丘さんだからなのだろうか。  「まぁ、いいや。玄関開けといて」  「えっ?!」  1分も経たないうちに本当にインターホンが鳴って、洗濯物が入ったバスケットを置いて戻った。  鍋をした時や銭湯に付き合わされた記憶が蘇り、応答に躊躇する。だけど、そんな私を見透かすように再度鳴らされた音に急かされ、渋々玄関を開けた。  「お邪魔しまーす」  「ちょっと待って!どうして私の部屋に来るの」  「それなら、俺のところに来る?」  「嫌よ」  「じゃあ、凛子さんの部屋しかないでしょ」  すっかり慣れた様子で私を置いて上がり込んだ彼は、当たり前のようにソファーに座った。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!