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「夏休み前でいいからさ、久々に飲みに行かない?」
「いいですよ。梶本さんのご都合に合わせます」
「俺もお前も酒が強いから、金曜の方がいいよな。半端に飲んで帰ってもつまらんだろ?」
「お供します」
お酒に強くなったのは、元の体質もあるけれど、梶本さんの影響だとも言える。学生時代に飲んできた安酒ではなく、本物のいいお酒を教えてくれたのも彼だ。
「それじゃ、午後もがんばれよ。眠くなったら内線掛けて来い。タイミングが合えば、目覚ましの煙草くらいつき合ってやるから」
上階にある経営企画室のあるフロアへと、梶本さんは向かっていった。エレベーターが4階上まで行き着いた表示を見て、時の流れを実感した。
3年前と今の私は、何か変わっただろうか。梶本さんのように充実した毎日を過ごしてきたのだろうか。
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