137人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「お疲れさまです」
「あ、愛名ちゃんおはよう」
「おはようございます」
ランチから戻ると、午前休を取っていた彼女が出社していた。
「聞きましたよ、梶本さん帰国したらしいですね」
「うん。いま一緒にランチしてきたところ」
「今度は私も連れて行って下さい」
「言っておくね」
愛名ちゃんは梶本さんとあまり一緒に仕事をしたことがない。梶本さんの噂ばかりが耳に入っているのと、私が可愛がってもらったという過去を知って、興味があるのだろう。
「先輩、飲み会行きます?来週の木曜なんですけど」
「遠慮しておく」
「まだ気が向かないんですか?」
「しばらくは今の生活を満喫することにしたのよ」
「せっかくいい相手揃いそうなのに」
愛名ちゃんの気遣いは嬉しいけれど、純弥さんに酷い失恋をした傷は、なかなか癒えそうにない。
最初のコメントを投稿しよう!