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「俺、来月あたり2週間くらい出張で不在するから」
「本当に仕事なの?可愛い女の子とバカンスじゃなくて?」
「そういうの、本当に卒業したから」
「へぇ……そっか」
高丘さんらしくなくて調子が狂う。
それに、隣室に間違って帰ってしまった夜も、玄関で泣き崩れて優しくされた次の朝も、彼の存在に多少救われたところがあったせいで、どうも決まりが悪い。1人でいたいのに、いつでも隣に彼がいると思ったら妙に気持ちが落ち着いたのは確かなのだ。
「不在の間、宅配便の代理受取頼まれてくれない?宅配ボックスの数も限りあるし」
「いいけど、そんなに荷物届くの?」
「3日に1度は、仕事関係とかネットショッピングで買ったものとか、何かしら届いてるよ」
「わかった。生ものだけは勘弁してね」
「了解!すごく助かる!」
高丘さんのポストの暗証番号を教えてもらい、不在票が入っていたら受け取ることになった。
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