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「そういえば、山下さんとは上手くいってる?」
「……まぁ、それなりに」
なんて旬な話題を振ってくるんだ。しかも不意打ち過ぎたせいで、歯切れの悪い返事をしてしまった。
「高丘さんも、愛名ちゃんには本当に興味ないの?」
「興味はないかなぁ、イイ身体してそうだけど、さっき言った通りそういう生活は卒業したからね」
身体だけの関係という話題も、今の私には強烈だ。高丘さんが前まで連れ込んでいた女性たちと似たような扱いを純弥さんから受けていたという事実は知られたくない。
「でも、最近ちょっと気になる人はいるよ」
「へぇ、今度こそ本気?」
「まだ知り合ったばかりだから分からないけど、もしかしたら正式につき合うような恋に発展するかもね」
「良かったじゃない」
「俺も、ずーっと遊んでるだけの男じゃないってこと」
互いに缶ビールを飲んで、夏の匂いになった夜風に紫煙をなびかせた。
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