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「……すごく嬉しいけど、どうして?」
「凛子さんが喜んでくれたらいいなって、それだけだよ。似合ってたから履いてほしくて」
「悪いよ。私、高丘さんからプレゼントを貰うような立場じゃないし」
「俺の前では、力抜いててよ。ヒールを履いている凛子さんは格好いいけど、見てて息が詰まりそうになるんだ。俺がいいって言ってるんだから。ほら、早く履き替えて?」
言われるままにヒールサンダルを脱いで、もらったばかりのルブタンに足を入れた。
「うん、やっぱり俺はこっちの凛子さんの方が好きだなぁ。色も綺麗だし、良く似合ってるね」
「……ありがとう」
明るい陽射しの中で、本当の目の高さから見上げる彼の笑顔は、とても優しくて穏やかだった。
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