rule 13

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 「高丘さん」  「ん?」  「……うぅん、やっぱりあとでいい」  本当は聞こうと思った。  この前、女性を連れ込んでたこと。その上で私をデートに誘う意味は何なのか。  だけど、彼がプレゼントしてくれた時の表情が、こうして手を繋いで歩いてくれるこの時間が、あまりにも平穏で壊したくなくなってしまう。  首を上に向けないと見れなくなった彼の顔は、年下のはずなのに男らしくて、何でもない瞬間にドキドキさせられて、勢いが萎んでしまった。  「仕事の話なんだけど、父親と話して時々はサロンに出れるようになったんだ」  「そうなの?!良かったじゃない」  「いざそうなったら、やっぱり大変だって分かってきてるところ。なかなか予約に合わせて予定を組めなかったりしてさ。だったら、もうサロンには出ないって決めた方が潔かったんだろうなぁって。本当、俺が甘かったんだけどね」
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