rule 13

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 「それじゃ、またね」  鍵を開けて、玄関のドアを引く。日中温められた室内は、あまり心地のいい空気ではない。  「……もう帰るの?」  「え、だって着いたし……」  離れたはずの手が再び繋がれ、彼に引き止められた。  「俺は、もっと一緒にいたい」  真っ直ぐに見下ろされると、自分の気持ちに素直になりたくなる。彼には色々聞きたいことがあるのに、それとは別問題だと言わんばかりに、気持ちが飛び出て走り出す。  「……ダメ?もうデートは終わり?」  甘えるような視線と困った表情で問いかけられて、一層心が揺らぐ。  「……寄っていく?私の部屋」  霧が晴れたように微笑んで、私に続いて入ってきた彼はずっと手を握って離してくれなかった。
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