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「……つき合ってるの?その人と」
「いや、彼女ではない」
「変わってないのね、何も」
私の気持ちは明らかに落胆させられている。彼のいい所を見つけてしまった分、一方的な期待をしたからだ。
勝手に彼を美化してしまったのかもしれないけれど、この気持ちのやり場がなくなりそうで、少し苛立ちを覚えた。
「俺が気に入ってた人だよ。誘ったら簡単にベッドに入ってきたから、もう関係を持つことはないけど、恋愛に発展させなくてよかったと思ってる」
「……そう」
事情を聞いて納得はしたけれど、あの夜から妬いた気持ちを引きずっているせいで、どうも素直になれない。もっと可愛げがあったらよかったのに、こんな時に自身の性格が邪魔をする。
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