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先に煙草を吸い終えた高丘さんが、私に背を向けた。
このまま帰ってしまうかもしれない。彼なりに事実を話したのに、私の反応がこんな感じでは、さすがに嫌気が差すだろう。
「分かってくれた?それともまだ疑ってるの?」
「ちょっと!」
腕の中に閉じ込めるように背中から抱きしめてきた彼が、私の身動きを封じる。
「まだ年下には興味ない?今の俺でも、凛子さんは好きになってくれない?」
首筋にキスをされて、瞬間的に肌が粟立った。
「冗談ばかり言わないで!」
真面目に話したかと思えば、おどけてみたり、不意に甘えてきたり、弱っていると優しくしてきたり……そのすべてが好きだと思うのに、自分の気持ちに踏み込めない。
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