rule 13

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 苛立ったような荒さで、高丘さんが再び私と唇を重ねはじめた。  わずかな隙間から舌が入ってきて、強引に私の口内を侵略していく。脳の奥が麻痺するような甘い感覚がして、思わず彼の腕にしがみ付いてしまった。  「凛子さんは、分かってないよ」  「何が?」  「セックスしたからって、捨てるわけじゃない。一緒にいて楽しかったり癒されたり、大切にしたいと思える相手なら、身体が先でも後でも関係ないはずだよ」  「……」  「凛子さんが判断して。今に俺が欲しくなるように、その壁を壊してみせるから」  今度は触れるキスが甘く続いていく。  それ以上のことはなく、彼は気持ちを伝えるような優しさで私を抱きしめた。
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