rule 13

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 やわやわと誘うようなキスをしてくる彼は、空いた手で髪を梳くように撫でる。気持ちを確認するような優しさが、私から拒絶するきっかけを奪っていくようだ。  「俺が誘うしかないなら、もう待たないよ?」  「……冗談で言ってる?」  私の問いかけに、彼は首を横に振って微笑み返してきた。  「本気だよ。凛子さんの気持ちが傾くなら、イイ人ぶって順番通りになんてやってられない」  妖艶なまなざしは熱を帯び、真剣さに満ちた彼の言葉に、私の胸の奥が締め付けられて突き動かされていく。  「俺しか見れなくさせてあげる」  高丘さんは腕時計を外してベッドサイドに置くと、啄むようなくちづけを落としながら、着ているTシャツの中に私の手を導いた。
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