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やわやわと誘うようなキスをしてくる彼は、空いた手で髪を梳くように撫でる。気持ちを確認するような優しさが、私から拒絶するきっかけを奪っていくようだ。
「俺が誘うしかないなら、もう待たないよ?」
「……冗談で言ってる?」
私の問いかけに、彼は首を横に振って微笑み返してきた。
「本気だよ。凛子さんの気持ちが傾くなら、イイ人ぶって順番通りになんてやってられない」
妖艶なまなざしは熱を帯び、真剣さに満ちた彼の言葉に、私の胸の奥が締め付けられて突き動かされていく。
「俺しか見れなくさせてあげる」
高丘さんは腕時計を外してベッドサイドに置くと、啄むようなくちづけを落としながら、着ているTシャツの中に私の手を導いた。
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