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「早く脱がせて?」
導かれた手がなめらかな肌に触れ、割れた腹筋の上を指が滑り、感覚だけで知った彼の身体が私の緊張を煽ってくる。
これ以上先に進んではなるものかと抵抗する気持ちとは裏腹に、上手なキスが秒を追うごとに私を酔わせていく。
「待って……」
「待たない」
落とされるキスがあまりにも気持ちよくて、自制ができずにだんだん力が抜けていってしまう。合間に僅かな抵抗を試みたけれど、返された言葉とは真逆の甘い微笑みに息を飲み、彼は再び私を覆った。
自然と背中に回った手でTシャツを捲り上げると、途中から彼が自ら脱ぎ捨て、不意にキスの雨がやんだ。
無言で見つめ合うこの距離は、もう隣人ではない。求めてくる彼の視線の熱で、焦がされていくみたいだ。
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