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部屋の明かりに照らされて浮き彫りになった彼の身体を見て、つい泳いでしまう私の視線を、高丘さんは顎に添えた指先だけで制した。彼はいつもの可愛さも消え、1人の男性として私を真上から見下ろしている。
もう気持ちに背を向けられない。
キスだけでこんなに昂ってしまった感情は、彼が好きだと言うようにきゅんと鳴き続けている。
「……高丘さん」
もっと悪い男だと思ってた。
女好きで罪深くて、簡単に部屋に連れ込んでは身体だけを交わらせるだけの……。
「ん?」
「電気、消して?」
だけど、違った。彼の素敵なところを知って、気付かないうちに彼を考えない日が無くなっていた。
もう、色々なこだわりは捨てよう。
高丘さんなら、きっと楽しくつき合っていけるはず。飾っていない私が好きだと言ってくれる彼なら、きっと悲しい結末を見せずにいてくれるかもしれない。
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