rule 13

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 だからといって、この気持ちが恋だと認められなくなった。  「高丘さん、私のこと好き?」  「どうしてそんなこと聞くの?」  「だって、好きじゃないのにこんなこと……」  「好きじゃなくたって、男はできるけどね」  「ひどーいっ」  「あははは、冗談だよ。俺がそんな男だと思うの?――」  開けられていたらしい窓から、見知らぬ女性との甘い会話が聞こえてきて、私は部屋に戻った。  適当な女性は連れ込まないと決めたくせにと、腹立たしくなる。彼は私とつき合っているわけでもないのに、まるで浮気をされたような感情は、妬いているからなのだと気付かされた。  この数日の昂った心は、気のせいだったのだ。  傷付いたところで優しくされて、彼がするりと隙間から入り込んできただけで、彼の気持ちは他の人に向いている。  私を諦めていないと言ったのも、彼にとっては同情だったのかもしれない。
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