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この再会に動じる様子もなく、高丘さんはテーブルの反対側でバッグからクリアファイルを取り出し、おもむろに眼鏡をかけた。
予期せぬタイミングで現れた彼に、プライベートを持ち出していいのかと迷いながらも、ここは会社なのだと自重する。だけど、ここで話さなかったら、ずっと交わることのないビジネスライクな関係で終わってしまいそうで……。
「本日お話させていただきたい内容を簡単に纏めてありますので、順にご覧ください」
右上がホチキスで止まった数枚の資料には、『共同開発についてのご提案』と表紙まで付けられている。
彼の話を追って目を通すと、旅行用やオフィスで使用できるもの等、男女を問わない美容機器の開発を狙っていることが分かりやすく記載されていた。
「特に旅行用に関しては、小型化する分パワーが劣ったり、機能が限られてしまっています。これを自宅で使用するものと変わらないような性能で作りたいと思っています」
高丘さんが真面目に話すせいで、不安が強くなる。視線がぶつかるたびに、戸惑いを隠すのに必死になる。
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