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アフロディーテは倒れたアデレイドに寄り添いながら、ヘラを睨んだ。
ヘラはつん、と視線を反らした。
「ヘラ!貴女はなんてことを...私の...」
ヘラはついっと指を動かし、うざい唇を塞いだ。
膝を付いているアフロディーテを見下ろす。
「例え意識を飛ばしているとはいえ...
その事を口にするのはならん、わかっているであろう?」
開くことのできない口を動かそうと一生懸命にヘラの力に抵抗しようとするが、及ばない。
その様子にヘラは嘲笑した。
「この事に関しては私の方が力が上よ、お諦めなさい。」
「...!」
悔しそうに眉を曲げる。
ヘラはパンパンと手を打った。
ニンフと呼ばれる、妖精の召し使いが現れた。
アデレイドの体を起こした。
温かい
何時までも眠っていたくなるような心地よさ。
春の陽気がアデレイドの頬を擽る。
何処かで馬の鳴き声が聞こえ、目が覚めた。
「どこ、ここ?」
宮殿、お姫様が暮らしていそうな部屋で目が覚めた。
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