幸せな誕生日。

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今日は人生で16回目の誕生日だ。 午前中は高校の友人が開いてくれたパーティーへ。 夜は父、母、妹と共に滅多に行くことの出来ない高級レストランに行くことになっている。 友人たちは家のリビングで色とりどりの飾り付けをしてテレビのある部屋の中央の壁にはHappy birthday Adelaide!!の文字が書いてある。 皆が出しあって買ってくれた特大のケーキと沢山のプレゼントはその場で開けて大喜びした。 ティアラを被り、曲をかけてはしゃいだ。 アデレイド・美月・高橋は紫色の瞳をずっと喜色で一杯にしている。 夕方になると玄関先で高級車に乗りいつもよりかっちりした服を着た日本人の父が執事のように畏まってドアを開けて待っていた。 高級車の中には誕生日カードが添えられた紫色のドレスがソファーに掛かっていた。 嬉しくて嬉しくて、父に抱き付いてキスを降らせた。父は困ったようにしながらも全く拒まなかった。 「もう行くよ。」 「うん!」 妹のシエラと母はレストランで待っているらしい。
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