幸せな誕生日。

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浮き浮きは止まらない。 友人からの祝福、沢山のプレゼント、父からの高級車の乗車とドレスの贈り物。 本当に、幸せだ。 紫色のドレスに身体を通す。 マーメイドラインがアデレイドの身体の線を強調する。 黒いハンドバッグを持つ手袋がアデレイドの手を少し締め付ける。 「パパ!まだなの?」 「はは、待ちなさいあと少しだ。」 眉を八の字にしながらも声は華やいでいる。 アデレイドは窓から見える 何時もと同じはずの風景を特別なものに感じられた。 やがてレストランに着いたのかキッという音がして、車が止まった。 「着いたの!?」 父はドアを開けながら微笑む。 腕を差し出す。 「行くぞ」 「うん。」 父に引かれて行く、まるでバージンロードを歩いているよう…と思っているとシエラと母が入口で待っていた。 二人とも着飾っている。 「アデレイド、此方よ!」 母が手招きすると父の腕から手を離し駆けていった。 アデレイドの両腕に手を当てて着飾った娘を上から下まで見て、うっとりとする。 長い黒髪の艶、紫色の瞳、綺麗な目、どこから見ても美しい。 娘を抱き締める。 「お誕生日、おめでとう。そして私たちの許へ生まれてきてくれてありがとう。」 涙が、出てしまう。 手袋を外して目元を拭う。
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