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席に座ると直ぐにボーイが横に着いた。
それぞれのグラスに飲み物が注がれると
「アデレイドの誕生日に」
「乾杯。」
グラス同士をくっつけてから口をつける。
それからナイフとフォークを手に取りコース料理を楽しむ。
食べたこともないような料理が並べられる。
シエラは食器とフォークのあたる音が大きい。
「シエラ、音を出さないの。」
「はーい。」
そっとボーイが母に近づいた。
耳元で何か言っている。
ボーイが踵を返し、背中がみえなくなってすぐにパッと明かりが消えた。
奥から光がパチパチ弾けるものが運ばれてきた。
それは直ぐ傍で止まる。
ケーキに花火が刺さっている。其処には…『親愛なる姉アデレイド・美月へ。誕生日おめでとう。』とチョコペンで書かれていた。
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