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「シエラ、…っ、此れ!」
真ん中の板チョコを震える指で差しながら妹を見た。
シエラは得意気に腕組みをして口を横に引き結んでいる。
シエラに抱きつく。
「もー、アデル(アデレイドの愛称)ったら泣きすぎよ。」
クスクス笑いながら背中を宥めるように叩く。
涙が滲み出て止まらない。たまらなく幸せだ、幸せ過ぎて怖い。今日だけで一生分の幸せを味わった。
「感動するのはまだ早いよ。」
母の声が弾んでいる。この上まだサプライズがあるというのか。
もとの席に戻る。
母はバックから何かをとりだして背中に手を回して隠した。
アデレイドの元に歩み寄る。
「はい!」
声と共に其れを勢いよくだした。
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