行方

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何て思っていたら。 午後、あの教師の授業が始まる前、クラスの担任が教室に入って来た。 女性教師は葬式に出ているそうで、今日は出勤出来ないとのこと。 これを聞いて、クラスの何人かはちょっと嬉しそう。 特に、女性教師に注意を受けている者が。 他はそっか~…、大変そうだね……などの声や、休み明けの最初の嫌な月曜日を吹っ飛ばす良い時間なのにと言った声も。 自分はどちらかというと、授業がなくなって自習となったことに内心ほくそ笑む。 何ならなくても良い、そう思っていた。 放課後。 休み明けの学校は憂鬱だが教師がいなかっただけで、凄く良い気分だ。 そんな気分のまま学校を出た。 女性教師が葬式後以降、行方不明となる。 そのことが分かったのは数日後。 職員室へ頼まれた物を嫌々ながら持って行く時、戸に手を掛け開けようとしたのと中から声が聞こえたのがほぼ同時だった。 ???「それは本当か」 ???「えぇ、確かなことです。萩間先生の行方が不明であると」 ???「自宅の電話に出ない。知り合いなどに聞いても葬式後以降の足取りは掴めていない」 ???「どこへ消えたんでしょうか」 その時、ガタンと戸が揺れた音がした。 一人の教師が廊下へ出たが、そこには誰もいなかった。
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