15人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
コンビニでのお話/柴沢視点
俺の家からすぐのコンビニ。徒歩圏内にコンビニがあるのは本当に助かるもので、この店は良く利用している。幸太郎がどうしても行きたいというので、仕方なく俺もついてきた。
「あー寒ィ!店内あったけー」
店内に入るや否や、回りの人に気を使う様子もなく、幸太郎が幸せそうな声を上げた。
明るい店内。煌々と光るLEDの照明。省エネの為に付け替える店舗が増えて、この店舗も例外ではないらしい。
「幸せそうで何よりだな」
俺は思ったことをそのまま口にすると、とりあえずオレンジ色の籠を手に取った。
本当に外は寒かった。
この冬一番の寒波らしい。
幸太郎の着ているふさふさとした固めの茶色いファーの付いたコート、暖かそうで良いなと思うが、色が好みじゃない。
「あー腹減ったー、何買おうかな」
幸太郎は思ったことは大概すぐに口に出す。
ああ、ほら。そうしてまた犬みたいに尻尾振って、嬉しそうに物色を始めるんだ。
本当に幸太郎は大型犬。
リードをつけていないから、他人に噛みつかないように散歩の時は注意しないと。
さて、俺も何か買おう。
最初のコメントを投稿しよう!