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――無事でいてくれるといいんだけど……。
朝の天気予報で夕立ちの可能性を告げていたというのに、
その対策を取らずに慌ただしく部屋を出て来てしまった自分の迂闊さに泣きたくなった。
前方から車のヘッドライトが近づいてくる。
わたしに気づいたのか、少しスピードが緩む。
向こうから見たら髪をふり乱した女の幽霊にでも見えるかもしれない。
しばらく進むと、街灯に照らされた赤いポストが見えた。
あの角を曲がればアパートはすぐそこだ。
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