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「雷も鳴ってるのに、無理して帰ってきたら危ないよ。
近くに落ちて巻き添えになったらどうすんの」
めっ、と怒った顔をして見せてからいったん洗面所に引っ込み、バスタオルを手に戻って来る。
「確かに色っぽいけど、ちょっとしたたらせすぎじゃない? 水。
濡れてなくてもひよちゃんは充分いい女だよ」
そう言いながらバスタオルを広げ、わたしの頭にふわりと被せる。
「お風呂、沸かしておいてよかった。……冷たい」
暖かな両手が、そっとわたしの頬を包んだ。
静かに注がれる視線に、ひどく崩れているに違いないメイクを気にして思わず後ずさる。
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