-1-

15/22

22589人が本棚に入れています
本棚に追加
/1353ページ
ヒールを脱ぎ、ペタペタと河童みたいな足音を立てながらお風呂場に向かう。 気が抜けたせいか、打ったお尻が今になってずきずきと痛み出した。 これはアザになるかもなあ、と憂鬱になりながら脱衣所に足を踏み入れ、引き戸を閉めようと振り向いた瞬間、 ――視界が宇佐美くんでいっぱいになって、二人の唇がしっとりと触れた。 「身体が温まったら呼んで。 ――髪、洗ってあげるよ。ひより」 開きかけたわたしの唇を、宇佐美くんはもう一度優しく塞いだ。
/1353ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22589人が本棚に入れています
本棚に追加