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ヒールを脱ぎ、ペタペタと河童みたいな足音を立てながらお風呂場に向かう。
気が抜けたせいか、打ったお尻が今になってずきずきと痛み出した。
これはアザになるかもなあ、と憂鬱になりながら脱衣所に足を踏み入れ、引き戸を閉めようと振り向いた瞬間、
――視界が宇佐美くんでいっぱいになって、二人の唇がしっとりと触れた。
「身体が温まったら呼んで。
――髪、洗ってあげるよ。ひより」
開きかけたわたしの唇を、宇佐美くんはもう一度優しく塞いだ。
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