-6-

15/17
前へ
/1353ページ
次へ
「……宇佐美くん、目が、覚めちゃったの?」 掠れた声で訊くと、うん、と穏やかに微笑む。 彼の後ろで、糸で釣り上げたようにカーテンが膨らみ、涼しい風が入り込んできた。 「寒く、ないの?」 「俺は、大丈夫」 そう言って、わたしのむき出しの肩に優しくタオルケットをかけなおす。 「ひよちゃん」 「ん?……」 宇佐美くんはゆっくり身を屈め、こめかみにキスを落としてから、わたしの耳元に口を寄せた。
/1353ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22600人が本棚に入れています
本棚に追加