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「……宇佐美くん、目が、覚めちゃったの?」
掠れた声で訊くと、うん、と穏やかに微笑む。
彼の後ろで、糸で釣り上げたようにカーテンが膨らみ、涼しい風が入り込んできた。
「寒く、ないの?」
「俺は、大丈夫」
そう言って、わたしのむき出しの肩に優しくタオルケットをかけなおす。
「ひよちゃん」
「ん?……」
宇佐美くんはゆっくり身を屈め、こめかみにキスを落としてから、わたしの耳元に口を寄せた。
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