続き

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   もう、一秒だってこうしていたくない。 「ねぇ、離してよ」 「いやだっ」 「いやだって、子供じゃないんだから。周りの人も見てるし、早く離してよ」 「今離したら、俺たちは終わる。だから、離すのはいやなんだ」 「終わるとかどうとか関係ないでしょ。恥ずかしいから離してってば」 「じゃあ、別れるとか言わないか?」 「元々、そんな事は言って無いでしょ」  それで、やっと抱きしめていた手が緩んで解放された。  体を離す時、勇人の顔が自然と目に入る。今にも泣き出しそうで、お母さんに叱られた子供のような顔をしてる。  この人は、まだ子供なのかもしれない。  だから、自分の事ばかり考えて、相手の事をあまり考えようとしない。それでいて、相手の気持ちが離れる事には敏感だったりする。  もしかしたら勇人は、元カノに対してもこうだったのかもしれない。  だから、浮気された?
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