始まり

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「……はぁ……」 結局この世界は自身が動かなければ死すらも与えないか……。つまらない世界だ……。だが、それもこれで終わりか……。 男が取り出した物………それは俗に言う睡眠薬だった 本来は不眠の治療薬だが…… 結局首吊りか……。死に方探してた苦労は何だったのだろうか……。他殺志願者を求めていたのは……。 ……まぁ良い。これで傷みはましに成るだろう……。 縄を手頃な枝に掛け、薬を服用し…… ……短くつまらない人世だったな……。何の意味も無く生まれ消えていくか……。 フッ。俺にはその方がお似合いか…。もっとも、意味が有ってもそれは些細な事だ。どうせ、この血筋はここで絶える。50年早まった。ただそれだけの事だ。この程度で世界は愚か地域の流れすら変わる事は無いだろう。 フフッ、馬鹿な奴らだ。感情など不確定な物に囚われるから一攫千金の機会を失うのだ。国も国だ。重罪人及び自殺志願者は麻酔で眠ってる間にバラして臓器移植に回せば良いんだ。国債もほんの少しはましに成るしドナーが増えて患者も助かる。理に叶ってるでは無いか。何故しない?それどころか臓器移植法などと言う邪魔な法律まで作りおって……。 下らん。本当、下らん。この停滞世界にはもううんざりだ。所詮、俺はこの世界に受け入れられない異端児だって事だ。ただそれだけの些細な問題だったのだ。 重く成ってきた身体で空を見上げ……
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