始まり

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「フッ」 良いだろう。その運命、受け入れてやろう。元よりそのつもりだ。後戻りした所で先は見えている。未練も無いしな。 意識が朦朧としてきた 仕掛けを施した台の上で…… 薬が効いて来たのだろう …………願わくば…………これで……魂ごと消えたい……。無に………帰りたい……。 そこで意識が途切れた 暫くして鈍い音がし、台が崩れ、男の首吊り死体が出来上がった 享年21歳…… 余りに短過ぎる人世を自らの手で下ろし、一旦の終わりを迎えた この世界からすればそれは確かに些細な変化 数十年すれば完全に忘れ去られるだろう ………終始遠視していた一人の少女を除いて……
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