決戦

22/32
前へ
/365ページ
次へ
―― 勇者「……階段だ。結局、この階も何もなかったね」 商人「響くのは我々の足音ばかり。うーむ気味が悪い」 戦士「構うことはない。さっさと次だ」 賢者「……」 勇者「ん? どうしたの、賢者さん」 賢者「いえ。あの太い柱が少し気になりまして」 勇者「はしら? ああ、あれ柱だったんだ。大き過ぎて気がつかなかった」 賢者「ええ。下の階にもあったものが、そのまま上階まで貫いています」 賢者「おそらくあれは、この城の巨大な主柱でしょう」 戦士「それがどうしたというのだ」 賢者「いえ……あの柱から、微かに魔力を感じるのですが……」 賢者「その魔力の流れが、なんだか上へ向かって脈打っているような……」 勇者「……そうなの? それが?」 賢者「いえ、他に気になる事がなかったものでしたから。先へ参りましょう」
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加