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勇者「……階段だ。結局、この階も何もなかったね」
商人「響くのは我々の足音ばかり。うーむ気味が悪い」
戦士「構うことはない。さっさと次だ」
賢者「……」
勇者「ん? どうしたの、賢者さん」
賢者「いえ。あの太い柱が少し気になりまして」
勇者「はしら? ああ、あれ柱だったんだ。大き過ぎて気がつかなかった」
賢者「ええ。下の階にもあったものが、そのまま上階まで貫いています」
賢者「おそらくあれは、この城の巨大な主柱でしょう」
戦士「それがどうしたというのだ」
賢者「いえ……あの柱から、微かに魔力を感じるのですが……」
賢者「その魔力の流れが、なんだか上へ向かって脈打っているような……」
勇者「……そうなの? それが?」
賢者「いえ、他に気になる事がなかったものでしたから。先へ参りましょう」
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