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「ああ……、見てたんッスね。
さっきのあいつの顔……。」
智士は気まずそうに視線を逸らし、隣の助手席で苛立ちを顕わにしている奈々の機嫌を伺う。
奈々はふて腐れ顔のまま、俺たちの会話に興味がないふりをして携帯電話をいじっている。
その不自然な行動に、智士は小さく溜め息を吐いた。
「笑美とこんなところにいた先輩には正直言いにくいです。
ま、もう過去の事ですけど……。」
「俺に言いにくい……って？」
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