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結「えっ、ちょっ、まっ、ど、だ!」
思考停止。急にされて何もできなかった。
女の子「もうー。ほんと久しぶりだよーー」
固まって熱を放出する俺に、頬ずりしてきた。ごしごしとマーキングするかのように激しくされる。されるがままで数秒、やっといままで姉さんにより養われた免疫が復活した。元通りではないが会話くらいまではできるとこまでもどった気がする。くっついてくる彼女に意を決して話す。
結「えっと、ちょっと、待って、どちらさま、だい?」
気のせいだった。免疫も体の火照りもあんま冷めておらず、途切れ途切れにしか話せなかった。
すると、女の子はくっついた体勢ではなく、向かい合う体勢に変えた。
女の子「覚えてないの?」
さっきまであんなに満面の笑みをしてたのに少し曇った。
結「いや覚えているも何も、君の事は初めてみたし!」
空気が一変した。肩に置いてあった手が痛いくらいに握られる。いや潰されかける。俺は痛みで顔がひきつってる。あんなに熱かった体もあっという間に冷めた。加えて痛いと言いたくても声が出ない。彼女の表情、阿修羅の前では何もいえなかった。
女の子「そっか~。覚えてないんだ~」
ゆらーと顔を上げて、こちらを睨む。目つきだけでも恐怖なのに、ゆっくりとした口調がさらに恐怖を倍増させる。
女の子「じゃあしょうがないね~。思い出させてあげる~」
女の子はぐっと思いっきり頭を引く。大きな振りかぶり、何をしてくるかは予想できた。ついでにこのシチュエーションとその行動が僕の古い記憶を呼び覚ました。昔、じいさんちで暮らしてたとき。異常なまでに俺になついてきて、そして異常なまでに強く、近所の子どもたちを半殺しにしてた悪魔「ヘッドクラッシャー」・・・本当の名を
結「凰条(おうじょう)真奈美(まなみ)!!」
ガーーーン!!!
時既に遅し。俺は真奈美の頭突きで吹き飛ばされ、意識が途絶えてた。
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