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りんご「いいかげん、アキラの家にたかるのやめたらどうなの」
軽蔑した目で実の兄をみる。
たんじ「アキラんちのパンが美味いのがいけねーんだよ」
それをきいて、アキラもまんざらでないようだ。
アキラ「おっと、それはうれしいねー。俺の分をやろう」
たんじ「わーい!」
見事にたんじを甘やかしてる。
アキラ「そーいや、りんごも今日から一緒に登校なんだな」
いまさらながらだが俺の横にいる子にきづいた。りんごはうん、と小さな声でこたえる。
たんじ「あー、そういやお前も今日から一緒なんだよな」
りんご「うっさい黙れ」
たんじ「なんだよ、この違い!!」
実兄だというのにかわいそうなやつだ。
りんご「結。死んだ魚の目をした獣がこっちを見てくるよ」
俺の背中にひょいっと隠れる。
たんじ「そいつも目が死んどるわ」
妹をとられたからかちょっと当たりがつよかった。なんだかんだで水巻家の兄妹も仲がよろしいのだ。
結局幼馴染全員が集結して学校に向かうことに。姉さんとりんごが二つ違いだから外に遊びにいったりしないと5人みんなでこうやって歩くことはない。幼馴染みんなで学校行くのは新鮮であって懐かしいものだ。
たんじ「そっかー、こうやって5人で学校行くのって中学以来か」
たんじもどうやら俺と同じ気持ちだったらしい。こんな馬鹿でもけっこう友達思いのいいやつなのだ。
アキラ「そうだな。またこの5人で学校行けるのは楽しみだな」
りんご「うん」
りんごもその言葉にはちょっとうれしそうだった。顔にあんま表情が出にくい子だけど、こういうときはわかりやすい。
姉さんもうれしそうにポニーテールを揺らしてる。
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