あの夏を待ってた

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 その日は気温の上昇が著しく、最近日課になっていた散歩の途中、私は酷い目眩に襲われその場にしゃがみ込んだ。  何処か涼しい所で休みたい。  そう思うほどの激しい目眩。  周りの景色が少し歪んで見える。  頭が痛い。  これはいよいよマズい……そう思った時、ボヤケた視界に見覚えのない水色の看板が目に入った。 『coffee 海月』  干物屋と定食屋兼民宿しかないと思っていたこの町に喫茶店?  こんなのあったっけ?  そうは思ったけれど、今はそんなのどうだっていい。  兎に角涼しい所へ。
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