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「君、大丈夫だった?叶矢がごめんな~」
ふと声をかけられ振り向くと、眼鏡の男が呆れたように笑っていた。
たしか彼は、先ほどの少年と共にいたはず……
不思議なオーラを感じる、というのが第一印象。
身長は同じくらいだが、雰囲気がとても大人っぽい。
メガネの奥の瞳は細められ、感情が読み取れない。
それと……叶矢。それがあの少年の名前だろうか
「あいつ、テンパといつもああなんだよ……咎めないであげてくれ」
「あ、いや、別に大丈夫。」
そう返答すると、彼はじっと僕を見つめる
見ているだけで心を読み取られそうな目に、少しだけ緊張する
「ふうん……」
「……な、なんですか」
思わず敬語になってしまう。
目を見られるのは苦手だ。
だからこそ先程の彼が不思議なのだ。
不快感が全く無かった……別に今不快なわけではないが。
「はは、ごめんごめん。なんでもない。俺は杉聖夜ってんだ。ちなみにさっきのは本村叶矢。お前は?」
「……僕は、小野有斗です」
「有斗か、よろしくな。」
そういうと手を差し伸べられた。
少し戸惑いながらも握ると、彼も握り返す。
その力が少し強くて驚いたが、握手なんてしたことがなかったのでこれが普通なのだと感心してしまった。
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