24人が本棚に入れています
本棚に追加
すると
「どうしたの!?大丈夫?」
聞き覚えのある声がした。
『矢田…どうしようどうしよう
怪我させちゃった。
血が出てるよ。どうしよう』
「焦らないで、桜ちゃん。とりあえず先生呼んできて。」
矢田は全く泣き止まない子どもに話しかける。
「痛かったね。大丈夫だよ。
すぐに先生が来るからね、その前に足を綺麗にしようね。」
矢田が子どもを抱えはしる。
私は急いで先生を呼んだ。
…
先生「ちょっと擦りむいていただけでした。大丈夫ですよ。あなたも大変でしたね。」
『いえ、私が…私のせいで本当にごめんなさい。』
「ははは、こんなことはよくあることだからそんなに気を負わなくてもいいんですよ。」
先生はそう言ってくれたが自分の情けなさを感じて苦しくなる。
ちゃんとあの子に謝りに行きたい。
見てみるとあの子は矢田と一緒に遊んでいる。
『あ、あの。』
「あ、桜ちゃん。」
『その子に…』
女の子がこっちを向く。
『さっきはごめんね。怪我させちゃって。』
「ううん、いいの!おねぇちゃん遊んでくれてありがとね!」
なんて、いい子なんだ。
涙が出そうになる。
「え、桜ちゃん?泣いてる?」
『泣いてない。
そうだ、矢田…助けてくれてありがとう。』
「そんな、お礼なんていいんだよ。」
と矢田はとびきりの笑顔をくれる。
そのあとも子ども達と遊んで、忙しいながらも充実した一日を過ごすことができた。
最初のコメントを投稿しよう!