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毎日、なにもする気になれない、
ゆずちゃんの代わりに
ごはんを用意して食べさせて。
夜は眠るまで傍にいて。
いつもは自分の家に帰って寝てたけど、
この間はさすがにゆずちゃんちに泊まってた。
どうにか学校に復帰する気力が沸いてきて、
ほっとしたのも束の間、
すぐに結婚の話が沸いてでて、
慌ただしく過ごして……。
もう、落ち着いたんだと思ってた。
でも、ゆずちゃんの中では、
風邪はトラウマになるほど恐ろしいものとして、
インプットされてたんだ。
「大丈夫だよ。死んだりしないから」
「……ほんとに?」
涙をぽろぽろ零しながら、
ゆずちゃんは不安そうに僕のことをみてる。
泣いてるゆずちゃんも可愛くて、
……ちょっと困るな。
布団から手を出して、
ゆっくりとそのあたまを撫でる。
いつもなら、すぐに涙がおさまるのに、
今日はいっこうに止まらない。
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