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「……おばあちゃん、怒ったら怖いもんね」
「そうそう。
だから僕は、迂闊にあの世にはいけないよ」
ゆずちゃんはおかしそうに笑ってる。
やっと、気持ちが落ち着いたみたいだ。
「わかった。でも、傍にいていい?
静かにしとくから」
「いいよ。
でも、風邪がうつったらいけないから、
マスクはしといてね」
ようやく本調子……じゃないな。
まだちょっと、不安そう。
きっと、僕の風邪が治るまで、
そうなんだろうな。
それでもかなり落ち着いたゆずちゃんが、
マスクを取りに部屋を出ていった。
布団に潜ってちょっとため息。
……この分だと。
この先、僕、迂闊に風邪、ひけないな。
マスクをして戻ってきたゆずちゃんは、
ベッドの枕元に寄りかかると読書をはじめた。
じっと寝てるのは暇でしょうがないんだけど、
ゆずちゃんがそうしてることを
望んでるからしょうがない。
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