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五分おきくらいに、
ゆずちゃんが僕の方を振り返る。
……不安でしょうがない、って顔で。
きっと、
あたまでは僕が死ぬことはないって
理解してるんだろうけど、
感情がついていかないんだろうな。
そっとあたまを撫でると、
こわばった顔で、ほんの少しだけ笑った。
そのうち、
薬が効いてきたせいかうとうとし始めて
……眠ってしまった。
目が覚めたら。
ゆずちゃんは僕の手を握って、
ベッドに突っ伏して眠ってた。
また少しだけ、涙の流れた跡がついてた。
……こんなとこで寝てたら、
反対に風邪ひいちゃうでしょ。
そっと起こさないように起き上がって、
足下に置いたままになってた、
カーディガンを掛けてあげる。
……細い肩。小さな背中。
ゆずちゃんは気付いてないけど、
あの小さな背中には、
背負いきれないほどの荷物が載ってる。
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