風邪をひいた日

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結婚を秘密にしてることだけじゃない。 おばあちゃんの意向があって、 ずっとゆずちゃんには秘密にしてるけど、 きっと知ったら潰れてしまうんじゃないか、 ってくらいの大きくて重たい荷物も。 おばあちゃんが死んでしまったいま、 そのことをいつ話すかについては、 僕の手にゆだねられてしまった。 いつか話さなきゃいけないことだとは思う。 でも、できれば一生、 知らずに過ごして欲しいとも。 おばあちゃんはなんて大きな宿題を、 僕に残して逝ってしまったのだろう。   可愛い寝顔をみながらあたまを撫でてたら、 ゆずちゃんが目を覚ました。 「ん……。 なつにぃ、具合、どう……?」 「変わりないかな。 ゆずちゃん、こんなとこで寝たらダメだよ。 風邪ひいちゃう」   まだ完全に目が覚めてないのか、 ぼーっとしたまま僕をみてるゆずちゃんは、 はっきりいって可愛すぎる。 「うん……。もう夕方なんだ……。 食欲……、ある……?」
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