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そうこうしているうちに若先生のいったとおり、
熱がでてきた。
「大丈夫……?」
ゆずちゃんが不安でいっぱい、って顔で、
それでも僕をかいがいしく看病してくれる。
熱くなってきたから湯たんぽは外して。
あたまの下に氷枕を入れてくれて、
額には冷却シートを貼ってくれた。
汗を拭いてくれて、水分をとらせてくれる。
心配しなくても大丈夫、
そういってあげたいのに、
熱がでて
いつもにもましてポンコツになってる僕は、
なにもいえないまま意識が薄れていった。
……ゆずちゃんの声がする。
なんだか酷く取り乱してるんだけど、
なんでかな。
ただの風邪なんだから、
明日になったら治ってるよ。
だから、心配しないで。
「ちょっとチクッとするよー」
……気がついたら。
若先生に注射されるところだった。
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