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ペリペリとふたを剥がして口に運ぶ。
ゼリーはつるりと飲み込まれて、
食べやすかった。
ふと、ゆずちゃんをみると、
なぜか前にはマグカップだけ。
「朝ごはん、食べないの?」
「……食欲、ない」
ゆずちゃんの顔はなんか険しいし、顔色も悪い。
風邪ひいてる僕なんかよりずっと、
具合が悪そう。
「大丈夫?僕の風邪、うつった?」
「ううん。違うから。
スープは飲んだし、大丈夫だよ」
「病院行ったとき、一緒に診てもらおう?」
「でも、病気じゃないから」
「ゆずちゃん」
「……うん」
……なんだろう?
今日のゆずちゃんは少しも笑わない。
ずっと硬い表情のままだ。
そんなに具合、
悪いんだったら僕のことなんて、
放っておいても大丈夫なんだけどな。
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