第1章

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「でも、分からないだろ? もしずっと生理来ないようだったら、ちゃんと医者に診てもらってよ」 心配しているのか、 妊娠を期待しているのか、 色んな意味を含んだような様子のリューマは私を見据えてそう念を押した。 「うん。 でも、病院いかなくても、市販で売ってる検査薬で調べられるから」 前回生理終わってから一ヶ月以上経っているけど もし妊娠していたら つわりがもう始まってるんじゃないかな? ………赤ちゃんはできてない。 そんな気がする。 逆に生理来そう。 下腹部に鈍痛を感じるし。 それとも久しぶりにセックスしたからかな? 「でも、デキてもおかしくないからな。生出ししたし」 「デキていて欲しい?赤ちゃん?」 リューマはバスローブを着たまま ベッドの中に潜り込んできた。 そして私を胸に引き寄せ腕の中に私を抱いた。 私は頬をリューマの胸元に押し当てて瞼を閉じる。 リューマの温もりに気分が安らいで、リューマの言葉に耳を傾けた。 「欲しい。オレとミユキの子供。 どっちに似るんだろう?とか、 性格はどうやって親のを受け継いで形成されるんだろうとか、 素朴にそんな事考えていたら、 子供って凄いなーって、 神様ってすごいなーって感心しちゃうんだよな。 まさにオレたちの愛の結晶」 「そうだよね、子供ってすごいよね。私はすべて、リューマに似て欲しいと思うけど」 リューマは実は母方の祖父がイギリス人のクオーター。 そうすると、私たちの子供もイギリス人の遺伝子が入って顔立ちの綺麗なコが生まれるかな? 女の子だったらベッキーみたいな? 男の子だったらウェンツみたいな? リューマが中性的な顔立ちだから 性別がどっちでもうまくイメージできちゃう。 でも、私の遺伝子もあるから、やっぱり大和撫子にヤマトタケルかな? ヤマトタケルってルックスいいんだっけ? 「オレとミユキがうまくミックスするんだから、オレたちのいいとこ取りじゃん?」 「女の子がいいなぁ。 女の子だったら父親に似るっていうし」 「じゃあ、あえて男の子だったらミユキが男みたいになって生まれてくるのか………。 それも見て見たいかも。 でも、手懐けるの大変そう………」 しみじみとそう言葉を漏らしたリューマを、頬を膨らませて睨む。 「私の中身に問題あるような言い方しないで」
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